誰のために企画する? | 企画を楽しむ
企画づくり、楽しめているでしょうか。
カフェのイベント・作品の展示会・売りたい商品・読んでほしい記事。いろいろな “企画作り” がありますが、どの企画にも必要なのは「誰のために企画をするか」という目標です。
当然のようにみえますが、この「誰のため」かしっかり決まっていない “企画” は多いと感じています。
「”みんな” に来てほしいイベント」も「”誰か” に買ってほしい商品」も、「誰のために」が決まっているようで決まっていない状態です。
誰のための企画なのかが決められれば、企画の細かなことが決めやすく、喜んでもらえる企画に近づきやすい。逆にいえば、誰のためかが決まっていないと、とりあえず、企画を実行できても、期待した成果は得にくくなってしまいます。
せっかくなら、喜んでくれる人の笑顔を想像して、企画作りができるといいですね。今回は、企画作りを楽しめるようになる、ちょっとしたコツを見てみましょう。
まえおき 小さな企画にある喜び
私がジャズライブを聴きに行くようになったのは、企業勤めをしていたときです。
会社員時代の仕事のなかで最も向いていなかったパソコン周辺機器の海外営業を(ほんの短期間)担当していた頃だったか、または、その組織が合弁会社に生まれかわるタイミング。営業を離れたい一心で、無い仕事を捻りだし、ぶじ “新しい業務” を獲得したばかりの頃だったと思います。
獲得したのは、合弁会社の一人社内広報というポジションでした。
社内広報はコミュニケーション企画の一つですから、いま思えば、私が “本当の意味で” 企画の楽しさにはまったのは、この時期の仕事がきっかけだったのかもしれません。
ジャズを聴くようになっていき、同時に企画の仕事にもはまっていく。この相乗効果がいまの仕事につながっているような気もしています。
+.(‘v`)+
二社が集まってできた出来立てほやほやの合弁会社の社内広報。この仕事の素敵なところは、誰にどんな情報を届けたいのか「企画の目的」が決めやすく、情報を受け取る皆さんから届く反応や成果の有無も、手に取るように把握できることでした。
自分がもてなすお客さまがよく見えるって、とても楽しいものですね。
「誰のため」がくっきりすると企画が楽しくなっていく
誰のために企画をするか。ここを決めておくことは、一見とても「あたりまえ」のようですが、なんとなくしか決まっていないケースの方が多いように感じます。
社内広報でいうならば、社員のための社内ホームページは、当然 “社員みんな” のために企画するものだと考える。誰のためかと聞かれたら、社員みんなのため、と答えることになりそうです。
ただこの時に、“誰のため” をもう一息深く考えておくのがおすすめです。
“社員みんな” は、まだ曖昧。広報記事なら、言葉づかい、文字の大きさ、ピックアップする記事の内容。イベントなら、開催日時、料金、ポスターのテイストなど、細かいことが決めにくい。
+.(‘v`)+
新会社の社内広報のケースでいえば、「社員みんな」は「新会社にどんな人が集まっているのか新しい仲間のことが気になっている “社員のみんな” 」というように、具体的にイメージしておくことが可能です。
ほんの少しイメージを明確にしておくことで、この人たちは何をしたら喜んでくれるだろう?ということが、考えやすくなっているのが伝わるでしょうか。
「誰のため」と「何のため」どちらを先に考える?
誰のための企画なのかを決めておくことは、企画作りを楽しむコツのようなものですね。それと同時に、企画の質が、ぐんと良くなるコツでもあると思います。
企画を提供する人も、企画を受け取る人も、どちらも同じように喜べる。双方がハッピーな企画になったときに思わずでるのが「いい企画だったね!」の言葉。この言葉が聞こえてくると、幸せです。
何のための企画なのか
何のための企画ですか?という問いは、比較的答えやすいと思いますがどうでしょう。
ジャズライブなら、ジャズを聴いてほしいから。作品展なら、作品を見てほしい、または買ってほしいから。料理なら、料理の腕を披露したい、または、この料理の美味しさを伝えたいから、というように。
なぜ「なんのため」が、(一見)答え易いのかといえば、提供側の希望や思いであることが多いから、ということになるのだろうと思います。
誰のための企画なのか
誰のための企画ですか?というこちらの問いは、ともすると考えなくても企画は成立してしまうために、考えないケースも多いのかもしれません。考えないというよりは、考えるのを “忘れている” のかもしれません。
このジャズライブは誰のため?
この作品展は誰のため?
この料理教室は誰のため?
「誰のため」の企画にするのか、自分たちの “本来の目的” を確認する。企画を開催目的に近づけるためには、”誰のため” を大切にすることが、なにより必要なのだと思います。
どちらを先に考える?
初めて企画をたちあげるときには、おそらく「誰のため」を先に考えたほうがいいですね。
何のためかを先に考えようとすると、範囲が広すぎる可能性もありますから、企画の軸を固めるのが難しく、延々と、まとまらない企画案を脳内でこねくり廻し続けることになりかねません。
まずは、誰に届けたいのか、それは何故なのか、を考える。
楽しく企画するために、ここから始めてみるのがおすすめです+.(‘v`)+。
いつも満席マガーリさんのワイン会
「いつか、ここでワークショップもやりたいなあ」
お店など使える空間をお持ちの皆さんは、よくこんな希望を口にします。それぞれに素敵な雰囲気の場所なので、すぐにでもやってほしい!と思うことが多いのですが、なぜか一様に、なかなか進んでいきません。
私の周りのほとんどのオーナーさんたちが思いを実行できていないなか、ぱっぱっと企画し募集して、あっという間に満席にしてしまう清々しさを披露してくれるのが、東京の自由が丘で小さなイタリアンのお店をきりもりするワインソムリエのまゆみさん♡
まゆみさんは、どうしてそんなに的確に、企画を作って発信できているのかといえば、やはり、誰に来てほしいのか、誰のための企画なのかがはっきり決まっているからなのだと思います。
お店の顧客がいるのなら「誰のため」の企画にするかを決めるのは簡単かというと決してそうではありません。お店には、いろいろなお客さまがいらっしゃるので、どのお客さまに焦点を絞るのか、決める必要があるからです。
・ランチだけのお客さま
・一人でみえるお客さま
・夫婦でみえるお客さま
・友だちと来るお客さま
誰に喜んでもらえる企画にしたいのか。ここを具体的に絞ることで、開催時期・時間帯・メニュー・価格のすべてが決めやすくなっています。企画全体に統一感もでますよね。
たくさん話して決めていこう
マガーリのソムリエまゆみさんが、企画対象を上手に絞ることができるのは、お客さまとたくさん話をしているからなのだろうと推察します。話すことでヒントをつかむ。わたしのジャズライブ企画の場合でも、気になる人へのインタビューは、まめにするようにしています。
企画を喜んでくれそうな、未来のお客さまとたくさん話し、実現したときの姿がイメージできる良質な企画を立ち上げて、磨いていくのは楽しいです!