演奏セットリスト公開(12.23)~江藤良人drums x スガダイローpiano・クリスマスジャズライブ
Christmas Special Jazz Live Show 2022 at メイプルホール相模原
ぶじに二日間の公演を終えました。
来てくださった皆さん、応援してくださった皆さんに、心から御礼申しあげます。
終演後のお客さまからは、のぼせてしまったような興奮気味の感じが伝わってきた、そんな熱量のとても高い演奏でした。
わたしもお仕事的ミッションを持ちながらも「ハッ!こんな贅沢ないまを大切にしなくてどうする!」と、ひと時でも純粋なリスナーになろうと我に返ることしばしば。
素晴らしい音色を浴びることができた時間でした。ああ、もう一度、リスナーとして参加しなおせたらいいのに。笑
セットリスト
12/23 江藤良人drums x スガダイローpiano
=1st session=
White Christmas (Irving Berlin)
Blue Skies (Irving Berlin)
I Got Rhythm (George Gershwin)
炎のたからもの(大野雄二)
Take the A Train (Billy Strayhorn)
=2nd session=
Lonely Women (Ornette Coleman)
Lotus Blossom / Silent Night (Billy Strayhorn / Franz Xaver Gruber)
Someone to Watch Over Me (George Gershwin)
Evidence (Thelonious Monk)
=encore=
Bolero (Joseph Maurice Ravel)
炎のたからものが聴けるなんて。感激。
ジャズライブまでの日々を楽しんでいただく『アドベントカレンダー企画』でちら聴きしていただいた『Lonely Women(Ornette Coleman)』も演奏してくださいました。演劇のクライマックスを観ているような、凄みのある演奏。荘厳で妖艶なピアノの音色。マレットで心の奥底のに響くミステリアスなリズム。圧倒的な美しさ。
素晴らしいクリスマスプレゼントになりました。
演奏をほんの少し公開
1st session
Lotus Blossom / Silent Night(Billy Strayhorn / Franz Xaver Gruber)
お客さまの声
SNSにあがっていた声をピックアップさせていただきました!
ありがとうございました。
SNSより
「ダイローさんのスタンダードがっつりは久々、ラグジュアリーな感じ。江藤さんも色々リズム出してきて音の対話が爽快。会場までたくさん歩いたけど行きは期待感、帰りは良い余韻で往復一理ほど楽々歩けた夜。良き一日」
「もの凄いお二人のやりとりは圧巻!江藤さんの迫力あるドラムに、さすがのスガダイローさんのめちゃめちゃかっこよくて素敵なピアノ。とても良い夜になるライブだった」
「脳内にいろんな景色が浮かんで消えて、浮かんで消えての繰り返し。好感触好印象。また是非行きたいです。」
リハーサルしてないってほんとですか?
この日は、興奮気味のお客さまが比較的ながく会場に留まり、CD売り場でミュージシャンとお話ししたり、スタッフに声をかけたりしていました。
「今日の演奏リハしてないってほんとうですか?びっくりしました」
と声をかけてくださった方もいました。そうなんです。リハーサルはなかったというより、サウンドチェックのみでした。公開していいのか少し迷いつつ書いてしまいますが(NGでたらあとで消そうっと)
ス「今日なにかやる曲ある?」
江「とくに(ない)」
ス「なんでもいい?」
江「いいよー」
ス「じゃあ、ジャズやろっか。ジャズライブだしね」
江「あはは」
みたいなのがサウンドチェック直前の会話でございました。
こういう会話、大好きです。
そしてそのまま、ピアノ、ドラムとそれぞれに丁寧な音のチェックをして終了。すべてを見ていたわけではないのと、楽屋にはいかなかったのでわからないのですが、おそらく曲目の相談などはほとんどなく、ライブがスタートしているのだと思います。いつも、びっくり。
おわりに~メイプルホール相模原という存在
コロナ禍では、開催直前だった公演が中止になったところからはじまり、その後、継続したライブの開催も難しくなっていきました。一度だけ、文化庁の文化芸術活動の継続支援をいただいてジャズライブを開催しましたが、そのとき「一緒にがんばりましょう」と会場を提供してくれたのは、メイプルホール相模原さんでした。
どうしてここで?
メイプルホールは一般的には、駅から離れていたり、多くの人にとってアクセスのよい場所とはいえません。
しかし、バラエティに富んだ大御所出演者の方々をみてもわかるように、演者に愛され、メイプルホールへ通う皆さんにも愛されている貴重な存在です。
今回、初めて会場にいらしてくださったお客さまも、壁一面に貼られたこれまでのライブポスターを眺めて「凄い人たちが出演している場所ですね」と目をみはっていました。
メイプルホールの壁
この壁がとても面白いんです。
日本の音楽史に詳しくない私でもお名前が分かる方はもちろん、お名前がわからなくても、検索してみるとその方の書いた曲はよく知っていたりする。
あの曲を書いたのはこの人なんだ。あの方はこういう活動もしていたんだ。そういうハッとするものがある『壁』。
如何に、日ごろ、目に留まりやすいものしか見ていないのかを感じる壁でもあります。
壁のポスターに名を連ねているのは、たとえば、シンガーソングライター鈴木康博さん、おおなじくシンガーソングライター南佳孝さん。
鈴木康博さんは、小田和正さんとのオフコースで、オリジナルメンバーであった方。南佳孝さんは、松田聖子さん、沢田研二さん、薬師丸ひろ子さんなど多くのミュージシャンに楽曲提供もされている。
音楽界の第一線で活躍されている方たちが、熱心にコンサートを開催しつづけている、しつづけたいと思ってくれる場所。それが、メイプルホール相模原なのだと思います。
愛される理由
愛される理由の一つは、丁寧に整えられた環境なのかなと思います。ホールの床はいつもピカピカに磨かれているし、高い天井には、大きな脚立をもってきて調整する必要のある立派な照明もある。グランドピアノもあります。
高い天井のおかげで音楽は美しく空間をまわり、リスナーの体に響いて届く。
高い天井からふりそそぐ美しい照明は、私たちリスナーが舞台に没頭することができるように上手に調整され、ステージを見下ろせる照明卓では、音楽の雰囲気がかわるたびにオーナーの宮本さんが、そっと照明の色味を変えたり(楽しそうに)しながら、ステージをもりあげてくれるのです。
ステージを存分に楽しめる要素がそろっているんですね。
そして、愛されるもう一つの理由は、やはりこのオーナーの宮本康弘さんの存在なのだと思います。どんなに整った環境でも、オーナーがいやだったら、いやですもんね。笑
オーナー宮本さんはとてもいい人
驚くことに、宮本さんは一人でこのホールをきりもりしています。会場を美しく整え、みんなをいつでも明るく出迎えるのは、そう簡単なことではないだろうと想像しますが、いつも明るい。ちょっとお話が長いのですが、おそらくいつも一人だからかもしれません。笑
時々笑いがこみあげてしまうほど、いろんな意味で面白い。
たとえば、今回二日間のライブのうち、宮本さんが初対面だったのは、二日目の出演者である、ピアニスト片倉真由子さん、ベーシスト粟谷巧さん。
ジャズ界にはもちろん詳しい宮本さんは、当然お二人の活躍ぶりはご存知。おそらく凄い人たちが来るということで緊張もされていたのだと思います。
お二人に初めましてのご挨拶をして戻ってきた宮本さんは、、
「すっごいいい人たちだった。すっごい丁寧だった。めっちゃやさしい」
と下をむいたまま感動を反芻するように連発。わたしはといえば、しれっと聞いているふりをして、心のなかで「かわいいーーー」と大爆笑しておりました。
相模原のみなさんに知ってもらいたい
相模原に住む皆さんにも、まだまだここを知らない方は多いのだと思います。そのため、FMさがみさんに告知をサポートしてもらおうか、とか。近隣の大学生のみなさんにも知ってもらえたらいいよね、とか。案は色々でていました。そして、僅かながらアプローチも試みました。しかし、そこはまだまだわたしの力不足もあり、がっつり知ってもらうまでには至っていません。でも、それもこれも、歩きながら。宮本さんが毎日毎日歩き続けているように。出演者のみなさんが次々とここでの企画を考えているように。わたしも考えつづけ、協力しつづけていけたらいいなと思います。
大切な一日を、音楽を聴きたいと思ってくださった大切なみなさんとすごすことができて、とても幸せな一日と一日でした。ありがとうございました。